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T-REV 特許情報

4輪T-REV 特許情報

書誌

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2014-29116(P2014-29116A)
(43)【公開日】平成26年2月13日(2014.2.13)
(54)【発明の名称】エンジンのブローバイガス還元装置
(51)【国際特許分類】
F01M 13/00 (2006.01)
【FI】
F01M 13/00    J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-169046(P2012-169046)
(22)【出願日】平成24年7月31日(2012.7.31)
(71)【出願人】
【識別番号】510065089
【氏名又は名称】株式会社寺本自動車商会
(74)【代理人】
【識別番号】100087619
【弁理士】
【氏名又は名称】下市 努
(72)【発明者】
【氏名】寺本 和史
(72)【発明者】
【氏名】大西 博規
【テーマコード(参考)】
3G015
【Fターム(参考)】
3G015AA06
3G015BD12
3G015BD13
3G015BD24
3G015BD25
3G015BD28
3G015BD35
3G015CA05
3G015CA06
3G015CA16
3G015EA03
3G015FB03
3G015FC04

要約

【要約】
【課題】クランクケース内が過度に減圧されることにより、オイルの潤滑性が悪化するのを回避できるエンジンのブローバイガス還元装置を提供する。
【解決手段】ブローバイガス還元通路26には、クランクケース3から吸気通路18への流れのみを許容するワンウェイバルブ27が介設され、前記ブローバイガス還元通路26の前記ワンウェイバルブ27の上流側には、前記クランクケース3内の負圧が所定値を超えたときに外部空気を流入させるリリーフバルブ45が設けられている。
【選択図】図1

請求の範囲

(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクケースと、燃焼室に連通するエアクリーナ及びスロットルバルブを含む吸気通路とをブローバイガス還元通路により連通接続したエンジンのブローバイガス還元装置において、前記ブローバイガス還元通路には、前記クランクケースから吸気通路への流れのみを許容するワンウェイバルブが介設され、前記ブローバイガス還元通路の前記ワンウェイバルブの上流側には、前記クランクケース内の負圧が所定値を超えたときに外部空気を流入させるリリーフバルブが設けられていることを特徴とするエンジンのブローバイガス還元装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記リリーフバルブは、リリーフ通路が形成されたシリンダと、該シリンダ内に移動可能に挿入配置され、前記リリーフ通路を開閉するピストンと、該ピストンを常時閉方向に付勢するばねとを有することを特徴とするエンジンのブローバイガス還元装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記シリンダは、前記リリーフ通路に連通する外部空気流出口が形成された外筒と、該外筒内に挿入され、前記リリーフ通路に連通する外気空気流入口が形成された内筒とを有し、前記ピストンは、弁軸部と該弁軸部に形成された弁部を有し、該弁部は、前記外筒のリリーフ通路内に挿入配置され、前記ばねの付勢力により前記内筒のリリーフ通路の下流側端面に当接することにより該リリーフ通路を閉じ、前記ばねの付勢力に抗して移動したときに前記リリーフ通路を開くよう構成され、前記ばねは、前記弁部と前記外筒の外部空気流出口の開口縁部との間に架設されていることを特徴とするエンジンのブローバイガス還元装置。
【請求項4】
請求項3に記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記内筒は、前記外筒に対して軸方向に移動可能に挿入され、該内筒を移動させることにより前記ばねの付勢力が調整可能となっていることを特徴とするエンジンのブローバイガス還元装置。
【請求項5】
請求項2ないし4の何れかに記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記外筒のリリーフ通路には、前記ピストンの弁部が当接することにより該ピストンの開方向への移動を規制するストッパ部が形成されていることを特徴とするエンジンのブローバイガス還元装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れかに記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記リリーフバルブには、外部空気を濾過するエアフィルタが着脱可能に装着されており、前記リリーフバルブは、ジョイント部材を介して前記ワンウェイバルブに一体的に接続されていることを特徴とするエンジンのブローバイガス還元装置。

詳細な説明

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンとシリンダとの隙間からクランクケース内に漏れ出たブローバイガスを吸気系に還元して再燃焼させるようにしたエンジンのブローバイガス還元装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のブローバイガス還元装置として、例えば、特許文献1には、クランクケース(1)と、吸気管(2)のスロットルバルブ(S)下流側とをブローバイガス通路(3)により連通し、該ブローバイガス通路(3)に吸気負圧により開くPCVバルブ(4)を接続した構造のものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−8828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来のブローバイガス還元装置では、ピストンの吸気行程時の下降に伴う負圧によってPCVバルブが開くようになっている。そのため、例えばスロットルバルブが急閉する減速時には吸気負圧が大きくなり、クランクケース内が過度に減圧されるおそれがある。その結果、クランクケース内のオイルの潤滑性が悪化するという問題が懸念される。
【0005】
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたもので、クランクケース内が過度に減圧されることにより、オイルの潤滑性が悪化するのを回避できるエンジンのブローバイガス還元装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、クランクケースと、燃焼室に連通するエアクリーナ及びスロットルバルブを含む吸気通路とをブローバイガス還元通路により連通接続したエンジンのブローバイガス還元装置において、前記ブローバイガス還元通路には、前記クランクケースから吸気通路への流れのみを許容するワンウェイバルブが介設され、前記ブローバイガス還元通路の前記ワンウェイバルブの上流側には、前記クランクケース内の負圧が所定値を超えたときに外部空気を流入させるリリーフバルブが設けられていることを特徴としている。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記リリーフバルブは、リリーフ通路が形成されたシリンダと、該シリンダ内に移動可能に挿入配置され、前記リリーフ通路を開閉するピストンと、該ピストンを常時閉方向に付勢するばねとを有することを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記シリンダは、前記リリーフ通路に連通する外部空気流出口が形成された外筒と、該外筒内に挿入され、前記リリーフ通路に連通する外気空気流入口が形成された内筒とを有し、前記ピストンは、弁軸部と該弁軸部に形成された弁部を有し、該弁部は、前記外筒のリリーフ通路内に挿入配置され、前記ばねの付勢力により前記内筒のリリーフ通路の下流側端面に当接させることにより該リリーフ通路を閉じ、前記ばねの付勢力に抗して移動したときに前記リリーフ通路を開くよう構成され、前記ばねは、前記弁部と前記外筒の外部空気流出口の開口縁部との間に架設されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記内筒は、前記外筒に対して軸方向に移動可能に挿入され、該内筒を移動させることにより前記ばねの付勢力が調整可能となっていることを特徴としている。
【0010】
請求項5の発明は、請求項2ないし4の何れかに記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記外筒のリリーフ通路には、前記ピストンの弁部が当接することにより該ピストンの開方向への移動を規制するストッパ部が形成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1ないし5の何れかに記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記リリーフバルブには、外部空気を濾過するエアフィルタが着脱可能に装着されており、前記リリーフバルブは、ジョイント部材を介して前記ワンウェイバルブに一体的に接続されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明に係るブローバイガス還元装置によれば、ブローバイガス還元通路のワンウェイバルブの上流側にクランクケース内の負圧が所定値を超えたときに外部空気を流入させるリリーフバルブを設けたので、クランクケース内の減圧が大きくなると、リリーフバルブから外部空気がクランクケースケース内に流入することとなる。これにより、クランクケース内が過大に減圧されるのを回避でき、オイルの潤滑性の悪化を防止することができる。
【0013】
請求項2の発明では、リリーフバルブを、リリーフ通路が形成されたシリンダと、前記リリーフ通路を開閉するピストンと、該ピストンを閉方向に付勢するばねとを有するものとしたので、ばねの付勢力をクランクケース内の減圧状態に対応した値に設定することにより、簡単な構造でクランクケースの減圧値を調整できる。
【0014】
請求項3の発明では、シリンダを、リリーフ通路に連通する外部空気流出口が形成された外筒と、該外筒のリリーフ通路に連通する外気空気流入口が形成された内筒とを有するものとし、ピストンの弁部を、ばねの付勢力により内筒のリリーフ通路の下流側端面に当接させることにより該リリーフ通路を閉じ、前記ばねの付勢力に抗して移動したときに前記リリーフ通路を開くよう構成し、前記ばねを、弁部と外筒の外部空気流出口の開口縁部との間に架設したので、リリーフバルブを必要最小限の部品点数でもって構成でき、それだけコストの上昇を抑制でき、ユーザーに安価に提供することができる。
【0015】
請求項4の発明では、内筒を外筒に対して軸方向に移動させることによりばねの付勢力を調整可能としたので、ばねの付勢力を例えばエンジンの気筒数,排気量等に応じた値に設定することが容易となり、車種に対する汎用性を高めることができる。
【0016】
請求項5の発明では、外筒のリリーフ通路にピストンの開方向への移動を規制するストッパ部を形成したので、ピストンのストローク量を簡単な構造で規制することができる。
【0017】
請求項6の発明では、リリーフバルブに外部空気を濾過するエアフィルタを着脱可能に装着するとともに、ジョイント部材を介してワンウェイバルブを一体的に接続したので、ワンウェイバルブとリリーフバルブとをユニット化することができ、組み付け作業を簡単に行うことができ、ひいては組み付けに要する工賃を低減することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0020】
図1ないし図7は、本発明の実施例1によるエンジンのブローバイガス還元装置を説明するための図である。
【0021】
図において、1は自動車等に搭載される4サイクルエンジンを示している。このエンジン1は、クランクシャフト2が収容されたクランクケース3に、シリンダボア4aが形成されたシリンダブロック4を結合し、該シリンダブロック4にシリンダヘッド5を結合し、該シリンダヘッド5にヘッドカバー6を装着した概略構造を有する。
【0022】
前記シリンダブロック4のシリンダボア4a内には、ピストン7が摺動自在に挿入配置され、該ピストン7はコンロッド8を介して上記クランクシャフト2のクランクピン2aに連結されている。
【0023】
前記シリンダヘッド5には、これの下合面に形成された燃焼凹部5aに連通する吸気ポート5b及び排気ポート5cが形成されている。前記燃焼凹部5a,シリンダボア4a及びピストン7の頂面で囲まれた空間が燃焼室14となっている。
【0024】
前記シリンダヘッド5には、前記吸気ポート5b,排気ポート5cの燃焼凹部5aに連通する開口を開閉する吸気弁9,排気弁10が配置されている。該吸気弁9,排気弁10は、それぞれクランクシャフト2によりカムチェーン(不図示)を介して回転駆動される吸気カムシャフト11,排気カムシャフト12により開閉駆動される。
【0025】
また前記シリンダヘッド5には、点火プラグ13が燃焼凹部5a内に臨むよう装着されている。
【0026】
前記シリンダヘッド5の排気ポート5cには排気管15が接続されており、該排気管15の下流端にはマフラ16が接続されている。この排気管15の途中には排気ガスを浄化する触媒(不図示)が介設されている。
【0027】
前記シリンダヘッド5の吸気ポート5bには吸気管18が接続されており、該各吸気管18の上流端にはエアクリーナ19が接続されている。このエアクリーナ19内の空気導入口19aと空気導出口19bとの間には、空気を濾過するエアフィルタ19cが配設されている。
【0028】
前記エアクリーナ19,前記吸気管18及び吸気ポート5bにより燃焼室14に連通する吸気通路が形成されている。
【0029】
前記吸気管18の下流端部には、該吸気管18の通路面積を変化させるバタフライ弁型のスロットルバルブ20が配置されている。このスロットルバルブ20には不図示のアクセルペダルが連結されている。
【0030】
また前記吸気管18のスロットルバルブ20の下流側には燃料噴射弁21が装着されている。この燃料噴射弁21は、燃料を吸気ポート5b内に噴射供給するように配置されている。
【0031】
前記エンジン1は、前記ピストン7とシリンダブロック4のシリンダボア4aとの間からクランクケース3内に進入した未燃焼ガスや燃焼ガスからなるブローバイガスを吸気管18から燃焼室14に還元させて再燃焼させるブローバイガス還元装置25を備えている。
【0032】
ここで、前記ヘッドカバー6内は、前記吸気,排気カムシャフト11,12とクランクシャフト2とを連結するカムチェーンが配置されたカムチェーン配置室等を介して前記クランクケース3内に連通している。従って、クランクケース3内に進入したブローバイガスの一部は、カムチェーン配置室を通って前記ヘッドカバー6内に進入する。
【0033】
前記ブローバイガス還元装置25は、図1に示すように、第1還元経路25aと第2還元経路25bとを備えている。
【0034】
前記第1還元経路25aは、前記クランクケース3内と前記吸気管18のスロットルバルブ20下流側近傍とを連通接続する第1ブローバイガス還元ホース40と、該第1ブローバイガス還元ホース40の中途部に介設され、前記クランクケース3から吸気管18へのブローバイガスの流れ(図1の矢印b参照)のみ許容するPCVバルブ41とを有する。
【0035】
このPCVバルブ41は、図示していないが、バルブボディ内に該バルブボディの開口部を開閉する弁体をスライド可能に配置し、該弁体をばねにより閉方向に付勢した構造を有し、該ばねの付勢力を超える圧力差が生じたときに弁体が開くようになっている。
【0036】
前記第2還元経路25bは、前記ヘッドカバー6内と前記吸気管18のスロットルバルブ20上流側とを連通接続する第2ブローバイガス還元ホース26と、該ブローバイガス還元ホース26の中途部に介設され、前記ヘッドカバー6から吸気管18へのブローバイガスの流れ(図1,図2,図5の矢印a参照)のみを許容するワンウェイバルブ27とを有する。
【0037】
前記スロットルバルブ20が急閉される減速運転時や全閉されるアイドリング運転状態では、ピストン7の下降によりクランクケース3内の圧力が高くなるとともに、吸気管18内のスロットルバルブ20下流側部分での負圧が大きくなる。これにより前記PCVバルブ41が開き、クランクケース3内のブローバイガスが第1ブローバイガス還元ホース40を通って吸気管18から燃焼室14内に流入し、該燃焼室14内にて再燃焼される。このように吸気管18内の負圧を利用して強制的にクランクケース3内を換気するようにしている。
【0038】
一方、前記スロットルバルブ20が略全開時の中・高速運転状態では、ピストン7の下降によりクランクケース3内の圧力が高くなるとともに、吸気管18内の全体が比較的弱い負圧になることによりワンウェイバル27が開き、ヘッドカバー6内のブローバイガスが第2ブローバイガス還元ホース26を介して吸気管18から燃焼室14に流入して再燃焼される。
【0039】
このように第1還元経路25aと第2還元経路25bとを備えたので、エンジン1の減速運転時やアイドリング運転から高速運転の広い運転領域においてブローバイガスを吸気系に還元させることができる。これによりブローバイガスのエンジン外部への排出が防止されるとともに、エンジンオイルの劣化,錆の発生等の問題が回避される。
【0040】
また、何らかの原因によりクランクケース3内圧が異常上昇したこと等によりPCVバルブ41が損傷して開閉機能を失ってしまった場合には、ワンウェイバルブ27がクランクケース3内の圧力を逃がす安全弁として機能することとなり、大きなエンジントラブルを回避することが可能となる。
【0041】
前記ワンウェイバルブ27は、図5〜図7に示すように、バルブケース33と、該バルブケース33内に収容されたバルブ本体30と、該バルブ本体30の接続開口30iにOリング(不図示)を介在させて着脱可能に螺挿された上流側バルブスリーブ34と、バルブケース33の下流側開口33cにOリング37を介在させて着脱可能に螺挿された下流側バルブスリーブ35とを有する。
【0042】
前記バルブケース33は、上流側開口33b及び前記下流側開口33cを有する角筒状のものである。また前記バルブ本体30は、前記バルブケース33の上流側開口33bにOリング36を介在させて着脱可能に螺着されている。
【0043】
前記上流側,下流側バルブスリーブ34,35は、円筒状の胴部34a,35aと、該胴部34a,35aに形成された六角部34b,35bとを有する。また前記下流側バルブスリーブ35の六角部35bには、外部接続部35cが形成されている(図5参照)。
【0044】
前記下流側バルブスリーブ35の外部接続部35cには、前記ブローバイガス還元ホース26の吸気管18側の上流端26bが締結バンド(不図示)により着脱可能に接続固定されている。
【0045】
前記バルブ本体30内には、前記クランクケース3側に開口する流入口30aと前記吸気管18側に開口する流出口30bと、該流出口30bと流入口30aを連通させるブローバイガス流路30cとが形成されている。
【0046】
前記バルブ本体30の前記流出口30bは、弁板31により開閉され、該弁板31の開度はストッパ32により規制されており、詳細には、以下の構造となっている。
【0047】
前記バルブ本体30は、大略三角錐形状をなすよう形成された三角錐部30hと、該三角錐部30hに続いて一体に形成された円筒部30gとを有する。
【0048】
前記バルブ本体30の三角錐部30hの、3つの側面に前記流出口30bが形成され、該三角錐部30hに続く円筒部30gに、前記3つの流出口30bに共通の前記流入口30aが形成されている。
【0049】
前記バルブ本体30の三角錐部30hの3つの側面に、前記各流出口30bを覆うように前記弁板31が配置され、該弁板31を覆うように前記ストッパ32が配置され、該ストッパ32及び前記弁板31の一端部は、ねじ38により流出口30bの上流側縁部に共締め固定されている。
【0050】
前記各弁板31は、鋼板製で短冊状をなしており、その板厚は、クランクケース側が高くなる僅かな圧力差によっても流出口30bを開くように、具体的には例えば0.08mm程度に設定されている。なお、前記弁板31は、クランクケース側の圧力が低い場合は前記流出口30bを確実に閉じ、空気等の逆流を防止する。
【0051】
前記各ストッパ32には、上流側端部から下流側端部にいくほど外側に湾曲するよう曲げ加工が施されており、これにより前記弁板31はストッパ32の湾曲形状に沿うようにその全開位置が規制される。
【0052】
前記バルブ本体30のブローバイガス流路30cの内周面には、前記流入口30aから各流出口30bに向かって大略螺旋状に延びる3つの溝30dが周方向に120度の間隔あけて形成されている。これにより流入口30aから流入したブローバイガスは、各溝30dにより捩じりが付与されて回転しつつ流出口30bから流出する。
【0053】
そして前記第2ブローバイガス還元ホース26のワンウェイバルブ27の上流側には、前記クランクケース3内の負圧が所定値を超えたときに外部空気を流入させる(図3(d)の矢印c参照)リリーフバルブ45が設けられている。
【0054】
詳細には、前記リリーフバルブ45は、ジョイント部材46を介して前記ワンウェイバルブ27の上流側バルブスリーブ34に一体的に取り付けられており、これによりリリーフバルブ45とワンウェイバルブ27とはユニット化されている。
【0055】
前記ジョイント部材46の外部接続部46aには、前記ブローバイガス還元ホース26のヘッドカバー6側部分の下流端26aが締結バンド(不図示)により着脱可能に接続されている。
【0056】
前記リリーフバルブ45は、図3(a)〜(d)に示すように、軸方向に延びる下流側,上流側リリーフ通路50a,51aが形成された円筒状のシリンダ47と、該シリンダ47内に挿入配置され、前記上流側リリーフ通路51aを開閉するピストン48と、該ピストン48を閉方向に常時付勢するコイルばね49とを有する。
【0057】
前記シリンダ47は、前記下流側リリーフ通路50aが形成された有底円筒状の外筒50と、該外筒50の下流側リリーフ通路50a内に挿入され、該下流側リリーフ通路50aに連通する前記上流側リリーフ通路51aが形成された内筒51とを有する。
【0058】
前記外筒50の底部50bの中心部には、前記ピストン48の弁軸部48aが挿通する挿通穴50cが形成され、該挿通穴50cの外周部には、前記下流側リリーフ通路50aに連通する複数の外部空気流出口50dが周方向に所定間隔をあけて形成されている。
【0059】
前記外筒50の下流側端部50eは、Oリング53を介在させて前記ワンウェイバルブ27の上流側バルブスリーブ34に着脱可能に螺着されている。
【0060】
また前記外筒50の上流側端部50fには円形の凹部50gが形成され、該凹部50gにはOリング54を介在させてスペーサ55が螺着されている。
【0061】
前記内筒51には、上流側リリーフ通路51aに続いて外方に延びる円筒状の外部空気流入口51bが一体に形成されている。
【0062】
前記内筒51の外部空気流入口51bには、外部空気を濾過するエアフィルタ57が着脱可能に装着されている。このエアフィルタ57は、図2に示すように、外部空気が通る金網57aを有するフィルタケース57b内にフィルタ(不図示)を配設し、該フィルタケース57bの底壁に前記フィルタを通過した空気が流れるゴムチューブ57cを接続した構造を有する。前記エアフィルタ57は、前記ゴムチューブ57cを前記外部空気流入口51bに気密に嵌合させることにより前記リリーフバルブ45に取り付けられている。
【0063】
前記内筒51は、前記外筒50のスペーサ55内にOリング52を介在させて軸方向に移動可能に螺着されており、前記外筒50に対する軸方向位置の調整が可能となっている。前記内筒51の外筒50内への挿入量を調整することにより前記コイルばね49の付勢力を調整することが可能となっている。
【0064】
また前記内筒51の上流側端部51cには、ロックナット56が螺装されており、該ロックナット56を前記スペーサ55に締め付けることにより内筒51が移動不能に固定されている。
【0065】
前記ピストン48は、図4(a),(b)に示すように、前記外筒50内に挿入配置され、該外筒50の挿通穴50cを貫通して外方に突出する弁軸部48aと、該弁軸部48aに一体に形成された弁部48bとを有する。
【0066】
前記ピストン48の弁部48bは、前記コイルばね49の付勢力により前記内筒51の上流側リリーフ通路51aの下流側端面51dに当接しており、これにより該リリーフ通路51aを常時閉じている(図3(b)参照)。
【0067】
前記弁部48bの外周縁部には、多数の凹み形状の流路48cが周方向に所定間隔をあけて形成されている。前記ピストン48がコイルばね49の付勢力に抗して後退すると、各流路48cを介して下流側リリーフ通路50aと上流側リリーフ通路51aとが連通する(図3(d)参照)。これにより外部空気がリリーフバルブ45から第2ブローバイガス還元ホース26を通り、ヘッドカバー6内を介してクランクケース3内に流入する。
【0068】
前記コイルばね49は、前記弁部48bと前記外筒50の底部50bとの間に架設されている。このコイルばね49は、クランクケース3内が過度の負圧となったときにピストン48を開くように、その付勢力が設定されている。
【0069】
また前記外筒50の下流側リリーフ通路50aの底部50bの近傍には、前記ピストン48の弁部48bが当接することにより、該ピストン48の開方向への移動量を規制するストッパ部50hが段付形状に形成されている(図3(b),(d)参照)。
【0070】
本実施例のブローバイガス還元装置によれば、第2ブローバイガス還元ホース26に介設されたワンウェイバルブ27の上流側にクランクケース3内負圧が所定値を超えたときに外部空気を流入させるリリーフバルブ45を設けたので、例えば第1還元経路25aのPCVバルブ41の強制換気によりクランクケース3内の減圧が大きくなると、リリーフバルブ45を介して外部空気がヘッドカバー6からクランクケースケース3内に流入することとなり、クランクケース3内の減圧が緩和されることとなり、オイルの潤滑性の悪化を防止できる。このようにして、第1還元経路25aのPCVバルブ41の性能,機能を確保しつつクランクケース3内の過度の減圧を抑制できる。
【0071】
本実施例では、前記リリーフバルブ45を、下流側,上流側リリーフ通路50a,51aが形成されたシリンダ47と、前記リリーフ通路51aを開閉するピストン48と、該ピストン48を閉方向に付勢するコイルばね49とを備えたものとしたので、コイルばね49の付勢力をクランクケース3内の減圧状態に対応した値に調整することにより、簡単な構造でクランクケース3の減圧を緩和させることができる。
【0072】
前記シリンダ47を、前記下流側リリーフ通路50aに連通する多数の外部空気流出口50dが形成された外筒50と、該外筒50の下流側リリーフ通路50aに連通する外気空気流入口51bが形成された内筒51とを有するものとし、前記ピストン49の弁部49bを、前記コイルばね49の付勢力により内筒51の上流側リリーフ通路51aの下流側端面51dに当接させることにより該リリーフ通路51aを閉じ、前記コイルばね49の付勢力に抗して移動したときに前記リリーフ通路51aを開くように構成し、前記コイルばね49を、弁部48bと外筒50の底部50bとの間に架設したので、リリーフバルブ45を必要最小限の部品点数でもって構成でき、それだけコストの上昇を抑制でき、ユーザーに安価に提供することができる。
【0073】
本実施例では、前記内筒51を外筒50に対して軸方向に移動可能とすることにより、コイルばね49の付勢力を調整可能としたので、該コイルばね49の付勢力を例えばエンジンの気筒数,排気量等に応じた値に設定することが容易となり、車種に対する汎用性を高めることができる。
【0074】
本実施例では、前記外筒50の下流側リリーフ通路50aの底部50bの近傍に、ピストン48の開方向への移動を規制するストッパ部50hを形成したので、前記ピストン48のストローク量を簡単な構造で規制することができる。
【0075】
本実施例では、前記リリーフバルブ45に外部空気を濾過するエアフィルタ57を着脱可能に装着するとともに、ジョイント部材46を介してワンウェイバルブ27を一体的に接続したので、ワンウェイバルブ27とリリーフバルブ45とをユニット化することができ、組み付け作業を簡単に行うことができ、ひいては組み付けに要する工賃を低減することができる。
【0076】
また前記ワンウェイバルブ27をリードバルブ式のものとしたので、通路抵抗が小さくなり、ピストン7の上下動に伴うクランクケース3内圧力の脈動に追従することができる。
【0077】
また前記ワンウェイバルブ27のバルブ本体30の内周面に、流入口30aから流出口30bに向かって大略螺旋状に延びる溝30d,30e,30fを形成したので、該溝30d〜30fによりブローバイガスに回転が付与されることとなり、ブローバイガスの流れがスムーズになるとともに、前記クランクケース3内圧力の脈動への追従性をより一層向上できる。
【0078】
さらにまた大略三角錐形状をなすバルブ本体30の3つの側面に3つの流出口30bを形成し、該3つの流出口30bに共通の流入口30aを形成したので、流入口30aから流入したブローバイガスは3つの流出口30bから略均等に流出することとなり、ブローバイガスの流れがよりスムーズになるとともに、通路抵抗をより小さくすることができる。
【0079】
なお、前記実施例では、ガソリンエンジンを例に説明したが、本発明のブローバイガス還元装置は、ガスエンジンにも適用できる。さらに本発明の適用範囲は、単気筒エンジンに限られるものではなく、複数気筒エンジン,多気筒エンジンにも勿論適用でき、また自動車用エンジン,自動二輪車用エンジンにも適用できる。
【符号の説明】
【0080】
1 エンジン
3 クランクケース
14 燃焼室
18 吸気管(吸気通路)
19 エアクリーナ(吸気通路)
20 スロットルバルブ
25 ブローバイガス還元装置
26 ブローバイガス還元ホース(ブローバイガス還元通路)
27 ワンウェイバルブ
45 リリーフバルブ
47 シリンダ
48 ピストン
49 コイルばね
50 外筒
50a 下流側リリーフ通路
50d 外部空気流出口
50h ストッパ部
51 内筒
51a 上流側リリーフ通路
51b 外部空気流入口

図面の簡単な説明

【0018】
【図1】本発明の実施例1によるブローバイガス還元装置を備えたエンジンの概略構成図である。
【図2】前記ブローバイガス還元装置のユニット化した状態のワンウェイバルブ及びリリーフバルブの斜視図である。
【図3】前記リリーフバルブの各要部を示す図である。
【図4】前記リリーフバルブのピストンの図である。
【図5】前記ワンウェイバルブの一部断面図である。
【図6】前記ワンウェイバルブの斜視図である。
【図7】前記ワンウェイバルブの断面図である。


【図1】
図1

【図2】
図2

【図3】
図3

【図4】
図4

【図5】
図5

【図6】
図6

【図7】
図7

スタンダードT-REV 特許情報

書誌

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】特許第4743559号(P4743559)
(24)【登録日】平成23年5月20日(2011.5.20)
(45)【発行日】平成23年8月10日(2011.8.10)
(54)【発明の名称】エンジンのブローバイガス還元装置
(51)【国際特許分類】F01M 13/00(2006.01) F16K 15/16(2006.01)
【FI】F01M 13/00 J F16K 15/16 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010−51354(P2010−51354)
(22)【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【審査請求日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510065089
【氏名又は名称】株式会社寺本自動車商会
【住所又は居所】大阪府大東市諸福8丁目4−22
(74)【代理人】
【識別番号】100087619
【弁理士】【氏名又は名称】下市 努
(72)【発明者】【氏名】寺本 和史
【住所又は居所】大阪府大東市諸福8丁目4−22 株式会社寺本自動車商会内
【審査官】橋本 しのぶ
(56)【参考文献】
【文献】実開平01−066411(JP,U)
【文献】特開2000−008828(JP,A)
【文献】実開昭58−033771(JP,U)
【文献】実開昭58−109667(JP,U)
【文献】実開平02−056980(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01M 13/00 F16K 15/16

要約

【要約】
【課題】通路抵抗を小さくして応答性を向上できるとともに、メンテナンスサイクルを延長できるエンジンのブローバイガス還元装置を提供する。
【解決手段】ブローバイガス還元通路にはクランクケースから吸気通路への流れのみを許容するワンウェイバルブ27が介設され、該ワンウェイバルブ27は、クランクケース側に連通する流入口30aと吸気通路側に連通する流出口30bとが形成されたバルブ本体30と、該バルブ本体30の流出口30bを開閉する弁板31と、該弁板31の開度を規制するストッパ32とを有し、バルブケース33内に収容されている。
【選択図】図5

請求の範囲

(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクケースと、燃焼室に連通するエアクリーナを含む吸気通路とをブローバイガス還元通路により連通接続したエンジンのブローバイガス還元装置において、前記ブローバイガス還元通路には、前記クランクケースから吸気通路への流れのみを許容するワンウェイバルブが介設され、該ワンウェイバルブは、バルブ本体と、該バルブ本体を収容するバルブケースとを有し、前記バルブ本体には、前記クランクケース側に連通する流入口及び前記吸気通路側に連通する流出口と、該流入口と流出口とを連通するブローバイガス流路とが形成され、該流出口には弁板が配設され、該弁板の一端が該流出口の縁部に固定され、該弁板が屈曲変形することにより該流出口を開閉するよう構成され、前記バルブ本体のブローバイガス流路の内周面の前記弁板より上流側に、前記流入口から流出口に向かって大略螺旋状に延びる溝が凹設されていることを特徴とするエンジンのブローバイガス還元装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記バルブ本体は、大略三角錐形状を有し、該三角錐形状の、3つの側面に前記流出口が形成され、底面に各流出口に共通の前記流入口が形成されていることを特徴とするエンジンのブローバイガス還元装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記バルブケースは、前記ブローバイガス還元通路に接続される上流側開口及び下流側開口を有する筒状をなしていることを特徴とするエンジンのブローバイガス還元装置。
【請求項4】
請求項3に記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記バルブケースの、前記上流側開口に、上流側継手を有する前記バルブ本体が着脱可能に装着され、前記下流側開口に下流側継手が着脱可能に装着されていることを特徴とするエンジンのブローバイガス還元装置。

詳細な説明

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンとシリンダとの隙間からクランクケース内に漏れ出たブローバイガスを吸気系に還元させるようにしたエンジンのブローバイガス還元装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のブローバイガス還元装置は、クランクケースと、エアクリーナを含む吸気通路とをブローバイガス還元通路により連通接続し、該ブローバイガス還元通路にクランクケース内圧力と吸気通路内圧力との差に応じて開閉するPCVバルブを介設した構造が一般的である(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
このPCVバルブは、バルブボディ内に弁体をスライド可能に配置し、該弁体の円錐状に形成された先端部で開口部を開閉可能とするとともに、該弁体をスプリングにより付勢する構造となっており、前記圧力差により弁体がスプリングの付勢力に抗して移動することでブローバイガスの流量が調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−256613号公報
【特許文献2】特開2000−8828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記従来のブローバイガス還元装置に採用されるPCVバルブは、スプリングのばね力を超える圧力差が生じたときに弁体が移動する構造であるから、ピストンの上下動に伴うクランクケース内圧力の脈動には追随できない場合があり、応答性に劣るという問題がある。
【0006】
また前記従来のPCVバルブは、弁体の円錐状に形成された先端部を開口部に挿入し、その隙間面積によりブローバイガスの流量を調整する構造を採用しているので、その構造上クランクケース内のオイル等が前記隙間に付着して堆積し易いことから、メンテナンスサイクルが短いという問題がある。
【0007】
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたもので、クランクケース内圧力の脈動への追従性を向上できるとともに、メンテナンスサイクルを延長できるエンジンのブローバイガス還元装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、クランクケースと、燃焼室に連通するエアクリーナを含む吸気通路とをブローバイガス還元通路により連通接続したエンジンのブローバイガス還元装置において、前記ブローバイガス還元通路には、前記クランクケースから吸気通路への流れのみを許容するワンウェイバルブが介設され、該ワンウェイバルブは、バルブ本体と、該バルブ本体を収容するバルブケースとを有し、前記バルブ本体には、前記クランクケース側に連通する流入口及び前記吸気通路側に連通する流出口と、該流入口と流出口とを連通するブローバイガス流路とが形成され、該流出口には弁板が配設され、該弁板の一端が該流出口の縁部に固定され、該弁板が屈曲変形することにより該流出口を開閉するよう構成され、前記バルブ本体のブローバイガス流路の内周面の前記弁板より上流側に、前記流入口から流出口に向かって大略螺旋状に延びる溝が凹設されていることを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記バルブ本体は、大略三角錐形状を有し、該三角錐形状の、3つの側面に前記流出口が形成され、底面に各流出口に共通の前記流入口が形成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記バルブケースは、前記ブローバイガス還元通路に接続される上流側開口及び下流側開口を有する筒状をなしていることを特徴としている。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3に記載のエンジンのブローバイガス還元装置において、前記バルブケースの、前記上流側開口に、上流側継手を有する前記バルブ本体が着脱可能に装着され、前記下流側開口に下流側継手が着脱可能に装着されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明に係るブローバイガス還元装置によれば、ブローバイガス還元通路に介設したワンウェイバルブを、バルブ本体の流出口の縁部に弁板の一端を固定し、該弁板が屈曲することにより流出口を開閉する、いわゆるリードバルブで構成したので、弁板を薄板で構成することにより、通路抵抗が小さくなり、ピストンの上下動に伴うクランクケース内圧力の脈動に追従して流出口を開閉することができる。そのためクランクケース内を確実に減圧でき、ピストンの下降時の抵抗が減少し、ひいては機械的・電気的な要素を用いることなく燃費の向上やアクセルに対する応答性の改善を図ることができる。
【0014】
またクランクケース内圧力が減圧されることから、アクセルオフ時に生じる急激なエンジンブレーキが緩和される。また信号待ちが連続したり、渋滞したときのようなアクセルのオン,オフ操作を繰り返し行なう場合のアクセルの踏込み時間を短縮でき、ひいては燃費を向上できる。
【0015】
さらにまた、クランクケース内圧力を減圧できることから、クランクケースからのオイルの滲みや漏れを防止できる。
【0016】
本発明では、バルブ本体の流出口に弁板を配置し、該弁板の一端を流出口の縁部に固定し、該弁板の屈曲により流出口を開閉する構造を採用したので、従来の開口部を円錐状の弁体で開閉するスライドタイプのバルブのように、弁体と開口部との隙間にオイルが噛み込む等の問題が生じることはなく、メンテナンスサイクルを延長できる。また性能低下時には前記弁板を簡単に交換することができ、性能を回復できる。
【0017】
本発明では、バルブ本体の内周面に、流入口から流出口に向かって大略螺旋状に延びる溝を形成したので、該溝によりブローバイガスに回転が付与されることとなり、ブローバイガスの流れがスムーズになるとともに、前記クランクケース内圧力の脈動への追従性をより一層向上できる。
【0018】
請求項2の発明では、大略三角錐形状をなすバルブ本体の3つの側面に流出口を形成し、底面に共通の流入口を形成したので、流入口から流入したブローバイガスは3つの流出口から略均等に流出することとなり、ブローバイガスの流れがよりスムーズになるとともに、通路抵抗をより小さくすることができる。
【0019】
請求項3の発明では、前記バルブケースを、前記ブローバイガス還元通路に接続される上流側開口及び下流側開口を有する筒状としたので、ワンウェイバルブをブローバイガス還元通路に簡単に組み付けることができる。
【0020】
請求項4の発明では、前記上流側開口に、上流側継手を有する前記バルブ本体を着脱可能に装着し、前記下流側開口に下流側継手を着脱可能に装着したので、ワンウェイバルブのブローバイガス還元通路への組付けをより一層容易に行なうことができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0023】
図1ないし図11は、本発明の実施例1によるエンジンのブローバイガス還元装置を説明するための図である。なお、本実施例では、ブローバイガスの流れ方向の下流側から見た図面を正面図といい、上流側から見た図面を背面図という。
【0024】
図において、1は自動車等に搭載される4サイクルエンジンを示している。このエンジン1は、クランクシャフト2が収容されたクランクケース3に、シリンダボア4aが形成されたシリンダブロック4を結合し、該シリンダブロック4にシリンダヘッド5を結合し、該シリンダヘッド5にヘッドカバー6を装着した概略構造を有する。
【0025】
前記シリンダブロック4のシリンダボア4a内には、ピストン7が摺動自在に挿入配置され、該ピストン7はコンロッド8を介して上記クランクシャフト2のクランクピン2aに連結されている。
【0026】
前記シリンダヘッド5には、これの下合面に形成された燃焼凹部5aに連通する吸気ポート5b及び排気ポート5cが形成されている。前記燃焼凹部5a,シリンダボア4a及びピストン7の頂面で囲まれた空間が燃焼室14となっている。
【0027】
前記シリンダヘッド5には、前記吸気ポート5b,排気ポート5cの燃焼凹部5aに連通する開口を開閉する吸気弁9,排気弁10が配置されている。該吸気弁9,排気弁10はそれぞれ吸気カムシャフト11,排気カムシャフト12により開閉駆動される。
【0028】
また前記シリンダヘッド5には、点火プラグ13が燃焼凹部5a内に臨むよう装着されている。
【0029】
前記シリンダヘッド5の排気ポート5cには排気管15が接続されており、該排気管15の下流端にはマフラ16が接続されている。この排気管15の途中には排気ガスを浄化する触媒(不図示)が介設されている。
【0030】
前記シリンダヘッド5の吸気ポート5bには吸気管18が接続されており、該各吸気管18の上流端にはエアクリーナ19が接続されている。このエアクリーナ19内の空気導入口19aと空気導出口19bとの間には、空気を濾過するエアフィルタ19cが配設されている。
【0031】
前記エアクリーナ19,前記吸気管18及び吸気ポート5bにより燃焼室14に連通する本実施例の吸気通路が形成されている。
【0032】
前記吸気管18の下流端部には、該吸気管18の通路面積を変化させるバタフライ弁型のスロットルバルブ20が配置されている。このスロットルバルブ20には不図示のアクセルペダルが連結されている。
【0033】
また前記吸気管18のスロットルバルブ20の下流側には燃料噴射弁21が装着されている。この燃料噴射弁21は、燃料を吸気ポート5b内に噴射供給するように配置されている。
【0034】
前記エンジン1は、前記ピストン7とシリンダブロック4のシリンダボア4aとの間からクランクケース3内に進入した未燃焼ガスや燃焼ガスからなるブローバイガスを吸気管18から燃焼室14に還元させて再燃焼させるようにしたブローバイガス還元装置25を備えている。
【0035】
このブローバイガス還元装置25は、前記ヘッドカバー6と前記吸気管18とを連通接続するブローバイガス還元ホース(ブローバイガス還元通路)26と、該ブローバイガス還元ホース26の中途部に介設され、前記ヘッドカバー6から吸気管18へのブローバイガスの流れ(矢印a参照)のみを許容するワンウェイバルブ27とを有する。なお、前記ヘッドカバー6内はカムチェン配置室等を介して前記クランクケース3内に連通しており、従って前記ブローバイガス還元ホース26はクランクケース3と吸気管18とを連通していることとなる。
【0036】
前記ピストン7の下降によりクランクケース3内の圧力が高くなり、また吸気管18内が負圧になると、ワンウェイバルブ27が開き、クランクケース3内のブローバイガスがブローバイガス還元ホース26を通って吸気管18から混合気とともに燃焼室14に流入し、該燃焼室14にて再燃焼される。これによりブローバイガスのエンジン外部への排出が防止されるとともに、エンジンオイルの劣化,錆の発生等の問題が回避される。
【0037】
前記ワンウェイバルブ27は、バルブケース33と、該バルブケース33内に収容されたバルブ本体30と、該バルブ本体30の接続開口30iにOリング37を介在させて着脱可能に螺挿された上流側バルブスリーブ(上流側継手)34と、バルブケース33の下流側開口33cにOリング37′を介在させて着脱可能に螺挿された下流側バルブスリーブ(下流側継手)34′とを有する。
【0038】
前記バルブケース33は、上流側開口33b及び前記下流側開口33cを有する角筒状のものである。前記バルブ本体30は、前記バルブケース33の上流側開口33bにOリング36を介在させて着脱可能に螺着されている。
【0039】
前記バルブケース33、上流側バルブスリーブ34及び下流側バルブスリーブ34′は、アルミニューム合金製のものである。
【0040】
前記上流側,下流側バルブスリーブ34,34′は、同一形状,寸法を有しており、円筒状の胴部34aと、該胴部34aに接続形成された外部接続部34cと、前記胴部34aと外部接続部34cとの境界部に形成された六角部34bとを有する。
【0041】
前記上流側バルブスリーブ34の外部接続部34cには、前記ブローバイガス還元ホース26のクランクケース側還元ホース26bが締結バンド(不図示)により着脱可能に接続固定されており、前記下流側バルブスリーブ34′の外部接続部34cには、前記ブローバイガス還元ホース26の吸気通路側還元ホース26aが締結バンド(不図示)により着脱可能に接続固定されている。
【0042】
前記バルブ本体30内には、前記クランクケース3側に開口する流入口30aと前記吸気管18側に開口する流出口30bと、該流出口30bと流入口30aを連通させるブローバイガス流路30cとが形成されている。
【0043】
そして前記バルブ本体30の前記流出口30bは、弁板31により開閉され、該弁板31の開度はストッパ32により規制され、詳細には以下の構造となっている。
【0044】
前記バルブ本体30は、アルミニューム合金製又は耐久性,耐熱性に優れたポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の樹脂製のものである。
【0045】
前記バルブ本体30は、大略三角錐形状をなすよう形成された三角錐部30hと、該三角錐部30hに続いて一体に形成された円筒部30gとを有する。
【0046】
前記バルブ本体30の三角錐部30hの、3つの側面に前記流出口30bが形成され、該三角錐部30hに続く円筒部30gに、前記3つの流出口30bに共通の前記流入口30aが形成されている。
【0047】
前記バルブ本体30の三角錐部30hの3つの側面に、前記各流出口30bを覆うように前記弁板31が配置され、該弁板31を覆うように前記ストッパ32が配置され、該ストッパ32及び前記弁板31の一端部は、ねじ35により流出口30bの上流側縁部に共締め固定されている。
【0048】
前記各弁板31は、鋼板製で短冊状をなしており、その板厚は、クランクケース側が高くなる僅かな圧力差によっても流出口30bを開くように、具体的には例えば0.08mm程度に設定されている。なお、前記弁板31は、クランクケース側の圧力が低い場合は前記流出口30bを確実に閉じ、空気等の逆流を防止する。
【0049】
前記各ストッパ32には、上流側端部から下流側端部にいくほど外側に湾曲するよう曲げ加工が施されており、これにより前記弁板31はストッパ32の湾曲形状に沿うようにその全開位置が規制される。
【0050】
前記バルブ本体30のブローバイガス流路30cの内周面には、前記流入口30aから各流出口30bに向かって大略螺旋状に延びる3つの溝30d,30e,30fが周方向に120度の間隔あけて形成されている。これにより流入口30aから流入したブローバイガスは、各溝30d〜30fにより捩じりが付与されて回転しつつ流出口30bから流出する。
【0051】
本実施例によれば、クランクケース3と吸気管18とを連通させるブローバイガス還元ホース26に、前記クランクケース3から吸気管18への流れのみを許容するワンウェイバルブ27を介設し、該ワンウェイバルブ27を、バルブ本体30の流出口30bを開閉する薄板製の弁板31と、該弁板31の開度を規制するストッパ32とを有するリードバルブ式のものとした。そのため通路抵抗が小さくなり、ピストン7の上下動に伴うクランクケース3内圧力の脈動に追従して流出口30bを開閉することができる。その結果、クランクケース3内を確実に減圧でき、ピストン7の下降時の抵抗が減少し、ひいては機械的・電気的な要素を用いることなく燃費の向上やアクセルに対する応答性の改善を図ることができる。
【0052】
またクランクケース3内圧力が減圧されることから、アクセルオフ時に生じる急激なエンジンブレーキが緩和される。さらにまた信号待ちが連続したり、渋滞したときのようなアクセルのオン,オフ操作を繰り返し行なう場合のアクセルの踏込み時間を短縮でき、ひいては燃費を向上できる。
【0053】
また、クランクケース3内圧力を減圧できることから、クランクケース3からのオイルの滲みや漏れを防止できる。
【0054】
さらにまた、バルブ本体30の流出口30bに弁板31を配置し、該弁板31の一端を流出口30bの縁部に固定し、該弁板31の屈曲変形により流出口30bを開閉する構造を採用したので、従来の開口部を円錐状の弁体で開閉するスライドタイプのバルブのように、弁体と開口部との隙間にオイルが噛み込む等の問題が生じることはなく、メンテナンスサイクルを延長できる。
【0055】
また弁板31を前記流出口30bの縁部にねじ35で締め付け固定したので、性能低下時には前記弁板31を簡単に交換することができ、性能を回復できる。
【0056】
また、バルブ本体30の内周面に、流入口30aから流出口30bに向かって大略螺旋状に延びる溝30d,30e,30fを形成したので、該溝30d〜30fによりブローバイガスに回転が付与されることとなり、ブローバイガスの流れがスムーズになるとともに、前記クランクケース3内圧力の脈動への追従性をより一層向上できる。
【0057】
さらにまた、大略三角錐形状をなすバルブ本体30の3つの側面に3つの流出口30bを形成し、該3つの流出口30bに共通の流入口30aを形成したので、流入口30aから流入したブローバイガスは3つの流出口30bから略均等に流出することとなり、ブローバイガスの流れがよりスムーズになるとともに、通路抵抗をより小さくすることができる。
【0058】
また、前記バルブケース33を、前記ブローバイガス還元通路に接続される上流側開口33b及び下流側開口33cを有する筒状とし、上流側開口33bに、上流側バルブスリーブ34を有する前記バルブ本体30を着脱可能に装着し、前記下流側開口33cに下流側バルブスリーブ34′を着脱可能に装着したので、ワンウェイバルブ27をブローバイガス還元ホース26に簡単に組み付けることができる。
【0059】
なお、前記実施例では、ブローバイガス還元ホース26の下流端を吸気管18に接続した場合を例に説明したが、本発明では、前記ブローバイガス還元ホース26の下流端をエアクリーナ19の空気導出口19bに接続してもよく、また吸気管18のスロットルバルブ20の下流側に接続してもよい。
【0060】
また前記実施例では、ブローバイガス還元ホース26の上流端をヘッドカバー6に接続したが、該上流端をクランクケース3に直接接続しても良い。
【0061】
また前記実施例では、ガソリンエンジンを例に説明したが、本発明のブローバイガス還元装置は、ディーゼルエンジン,ガスエンジンにも適用できる。さらに本発明の適用範囲は、単気筒エンジンに限られるものではなく、複数気筒エンジン,多気筒エンジンにも勿論適用できる。
【符号の説明】
【0062】
1 エンジン
3 クランクケース
14 燃焼室
18 吸気管(吸気通路)
19 エアクリーナ(吸気通路)
25 ブローバイガス還元装置
26 ブローバイガス還元ホース(ブローバイガス還元通路)
27 ワンウェイバルブ
30 バルブ本体
30a 流入口
30b 流出口
30d,30e,30f 溝
31 弁板
32 ストッパ
33 バルブケース
33b,33c 上流側開口,下流側開口
34,34′ バルブスリーブ

図面の簡単な説明

【0021】
【図1】本発明の実施例1によるブローバイガス還元装置を備えたエンジンの概略構成図である。
【図2】前記ブローバイガス還元装置のワンウェイバルブのバルブ本体の側面図である。
【図3】前記バルブ本体の正面図である。
【図4】前記バルブ本体の背面図である。
【図5】前記バルブ本体の断面図(図4のV-V線断面図)である。
【図6】前記バルブ本体の斜視図である。
【図7】前記バルブ本体の溝の図である(図5のa-a〜d-d線断面図)である。
【図8】前記ワンウェイバルブのバルブケースの一部断面側面図である。
【図9】前記バルブケースの背面図である。
【図10】前記ワンウェイバルブのバルブスリーブ(継手)の一部断面側面図である。
【図11】前記バルブスリーブの背面図である。


【図1】
図1

【図2】
図2

【図3】
図3

【図4】
図4

【図5】
図5

【図6】
図6

【図7】
図7

【図8】
図8

【図9】
図9

【図10】
図10

【図11】
図11


T-REV 商標情報

商標登録証

【商標登録番号】 第5440896号
【登録日】 平成23年(2011)9月22日
【公開日】 平成23年(2011)6月2日
【出願番号】 商標出願2011−30246
【出願日】 平成23年(2011)4月28日
【先願権発生日】 平成23年(2011)4月28日
【更新登録日】
【存続期間満了日】 平成33年(2021)9月22日
【分納満了日】
【拒絶査定発送日】
【最終処分日】
【最終処分種別】
【出願種別】

【商標(検索用)】 T−REV
【標準文字商標】 T−REV
【称呼】 テイレブ,レブ,アアルイイブイ,リブ
【ウィーン図形分類】

【権利者】
【氏名又は名称】 株式会社寺本自動車商会
【住所又は居所】 大阪府大東市諸福8丁目4−22

【付加情報】 標準文字
【重複番号】
【審判番号】
【審判種別】
【審判請求日】
【出訴・上告区分】
【出訴・上告番号】
【出訴・上告日】
【書換登録申請番号】
【書換登録日】

【類似群】 12A05 12A06
【国際分類版表示】 第9版
【区分数】 1
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
12 自動車並びにその部品及び付属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び付属品
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